今の会社に留まるべきかどうか

「我慢できないなら辞めればいい」昔、会社の先輩から放たれた一言は、今でも頭の中に残っています。
従業員が退職を申し出た時、それを拒否する権利は会社側にはありません。労働基準法の中の「強制労働の禁止」という項目に接触するからです。辞めないでほしいとお願いされたり、説得されたりすることはあるかもしれませんが、基本的には社員本人の意思によって決めることができます。
若い頃の私は、まだ社会経験も浅く、何かと仕事に対して不満を漏らすことがありました。朝会社に向かう足取りが重い…、今日は何を言われるのだろう?職場に行くのが嫌だ。そんな頃、言われたセリフが「我慢できないなら辞めればいい」でした。辞めるという選択はそれまで考えてはいませんでしたが、そこから辞めたら自分がどうなるか考え始めたのです。
まず、生活はどうなる?収入が途絶えたら生活していけない。直ぐに次の仕事が見つかるとは限らない…。今学んでいることは中途半端で終わってしまうのか、今までやってきたことが無駄になってしまうのではないか。そんなことを考え始めた途端に、今まで自分が嫌な部分にばかり焦点を当てていたことに気が付きました。
毎月決まった日に給与がもらえるという守られた存在であること、一緒に仕事をして良い刺激を受ける人がいること、自分の成長のための学びがあったことなどに初めて気付かされました。
『転職活動イコール転職ではない』
今の会社にこのままいるべきかどうか迷ったときに、転職活動をしてみると答えが見えることがあります。転職活動をしたことによって、今いる組織に留まるという答えに行きつくこともあります。それは転職活動に失敗したと言う事ではなく、自分自身の価値観への気付きです。他社の条件や自分の市場価値を知ることができたり、自分の中での優先順位がはっきりとしてきたり、転職活動をすること自体に意味があるのです。
転職活動は、勿論他の会社に就職することも目的の一つではありますが、今の会社を辞めるか、留まるかという答えを導くことも目的の一つなのです。